小学生の「朝の居場所」づくり広まる 東京都が見守りなど人件費を支援 実施している区や内容は?
東京ニュース取材班 (2025年3月15日付 東京新聞朝刊)
共働き家庭の小学生らが学校の始業前に過ごす「朝の居場所」づくりが都内で広がりつつある。2025年度、東京都は小学校の校庭などを開放する区市町村を財政支援する。見守り要員の人件費などとして100カ所ほどを見込み、当初予算案に8000万円を盛り込んだ。本紙の取材では、23区のうち少なくとも6区が校門開放や見守りなどに取り組む。

学校用務員による朝の見守りの様子(豊島区提供)
校庭での遊びを見守り、朝食提供の区も
近年、保護者の出勤が早い家庭の子どもが校門前などで待つケースが目立つ。安全面などから、自治体によっては開門時間を早めて児童が校庭で過ごせるようにしたり、見守りを業者に委託したりしている。
開会中の都議会では2月26日の代表質問などで取り上げられ、坂本雅彦教育長が「子どもが学校で安全・安心に過ごす環境の充実を図る」と答弁。都は始業前の2時間、NPOなどを活用して居場所を設けた区市町村に、人件費など経費の3分の2を助成する。
23区では、豊島区が1月から区立小2校で午前7時45分から登校時間まで「学校用務員」による見守りを実施。2025年度から全22校へ広げる。用務員への委託費内で実施するため、追加経費はかからないという。
品川区は朝食提供も予定している。1学期中に3校に居場所を設け、無償でパンやおにぎりを提供する。事業費として約5700万円を予算案に計上した。
世田谷区も2校で見守りスタッフを配置し開門時間を早める。予算額はシルバー人材センターへの委託費など531万円。杉並、江戸川両区も2025年度中に居場所づくりに取り組むとし、港区は1年生対象の「モーニングスクール」を区立小2校で実施予定と答えた。
一方、新宿区や目黒区は「各学校の判断で始業前に開門している」などと回答。実施予定のない区は、ニーズの把握や安全確保、経費負担を理由に挙げた。
多摩地域では、2023年度に八王子市が他自治体に先行し、現在、市立小9校で朝に校庭などを開放している。三鷹市は23年11月から業者に見守りを委託し、市立小全15校で午前7時半に校門を開け、児童が校庭などで過ごせるようにした。
港区 | 区立小2校で1年生対象の「モーニングスクール」を実施予定 |
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品川区 | 区立小など3校で2025年度1学期中に試行実施予定。朝食提供も。全校展開を目指す |
世田谷区 | 区立小2校で見守り人員を配置し開門時間を早める。2028年度にも全校で導入方針 |
杉並区 | すでに10校ほどで不定期で校庭での「朝遊び」を実施。新たに区立小2校程度で朝の居場所の試行を検討 |
豊島区 | 1月から区立小2校で登校時間まで学校用務員が見守り。全校に広げる |
江戸川区 | 2025年度中に学校内施設に居場所を設け、見守り人員を配置予定 |
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