子どもの付き添い入院がしんどい…そこで「ファミリールーム」都立小児総合医療センターに誕生 100平米でゆったり、宿泊施設も隣接

病棟とは違ったくつろげる雰囲気を大切にしたファミリールーム=東京都府中市で
簡易ベッドで眠れず、食事も苦労
「急な入院で息子も私自身も不安が強く、体も気持ちも疲れがひどかった」。小児総合医療センターで、昨年から今年にかけて3カ月の入院のうち約1カ月間の付き添い入院を経験した稲城市の会社員、村越夏実さん(32)はこう振り返る。

村越幸輝くんの付き添い入院を経験した母の夏実さん=東京都府中市で
次男の幸輝君(1)は昨年12月半ば、顔がむくみ始めた。いくつかの病院を受診した末、センターで腎臓の病気ネフローゼ症候群と診断され、入院することになった。夏実さん自身も不安でいっぱいの中、幸輝君も夏実さんが少し病室を離れるだけでも大泣き。夫の一輝さん(43)と交代で泊まり込んだ。

東京都立小児総合医療センターの外観
病室に簡易ベッドを入れてもらったが、硬くて幅も狭く、思うように寝返りも打てなかった。夜中にも鳴り響く看護ステーションからの警告音や人の気配なども気になり、熟睡できた夜は一度もなかった。食事はほぼ院内のコンビニで購入。「私が倒れるわけにはいかないと思っていたが、健康的ではなかった」
精神的にもつらかった。「顔がパンパンに腫れる症状が悪化するのを見るのもしんどかった。毎日、検査結果を聞いて一喜一憂し、夜になると気持ちが落ち込んで泣いていました」
病室から離れて、一息つければ
幸輝君は現在、退院しているが、4月下旬の検査入院の際、5月に開設されるファミリールームを見学した夏実さんは「明るく、カフェのようで気持ちがいい。体もほぐれそう」と笑顔を見せた。

ファミリールームを見学した村越夏実さんは「カフェのようで気持ちがいい」
付き添い入院の間、孤独を感じ、自分を責めがちだった夏実さんは、他の親と話す機会に支えられた。「病室にずっといると気が重くなってくるけれど、少しの時間でも子どもと離れ、自分の心を一息つかせるところが院内にあるのはいいですね」と話した。
家族を支えることが、子どもを支えることにつながる。部屋にはボランティアなどスタッフも常駐する。ファミリールームの責任者、渡井京子さんは「体も心も緩めてもらい、病室に戻ったとき、お子さんに笑顔を向けられるよう支える場にしたい」と話している。

明るく、広々としたファミリールーム
宿泊は無料 家族を支えることも医療

寄付されたお菓子やコーヒーが並ぶ食品コーナー

マッサージチェアを備えた個室
親御さんに「ちょっと休んで」と言える
ファミリールームは、同センターと公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(DMHC)が開設。法人は闘病する子どもや家族のケアに取り組んでおり、ファミリールームの設置は榊原記念病院(府中市)に続き、国内2カ所目となる。
付き添い家族の宿泊施設は、都立小児総合医療センターに隣接する「ふちゅうハウス」、国立成育医療研究センターに隣接する「せたがやハウス」(世田谷区)など12カ所ある。これまでは1日1000円の利用料だったが、金銭面の負担を減らすため、4月から無料になった。

宿泊施設「ふちゅうハウス」の外観

「ふちゅうハウス」の室内。2026年度から無料となった
4月28日に開かれた開所式では、都立小児総合医療センターの山岸敬幸院長が「家族を支えることを医療の一部と位置付ける必要がある。ただの休憩スペースにとどまらず、家族の心身を癒やし、子どもの治療を支える新たなモデルをつくりたい」とあいさつ。小池百合子都知事も「取り組みが広がっていくことを期待する」とメッセージを寄せた。
センターでは年間のべ約8000人の家族が付き添い入院している。トークセッションでは、芦川千穂看護師長も「お子さんの前では疲れを見せず気丈に振る舞う親御さんを見てきた。ちょっと休んできて、と言えるようになる」と役割に期待した。

センターのキャラクターなどとともに開所を祝う関係者ら
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