〈奥山佳恵さんの子育て日記〉10・コロナで休校 ダウン症の次男が、こんなに学校が好きだったなんて

(2020年3月27日付 東京新聞朝刊)

奥山佳恵さんの子育て日記

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「絶対に勉強しません」宣言をした長男

1カ月ぶりの登校「やったー!」何度もジャンプ

 「やったー!」。両手を上げて、うれしそうに何度もジャンプ。朝から、なんでこんなに次男が喜んでいるかというと、「明日は学校で、学童(保育)で、お弁当だよ」ということを伝えたから。次男にとって約1カ月ぶりの登校日です。

 新型コロナウイルスによる政府からの突然の休校要請で、わが家の小学生の次男と高校生の長男は、そろいもそろって自宅で過ごすことになりました。それも3月に入ってからずっと! 学期末試験が直前で中止になった長男は歓喜し、あろうことか「アベちゃんサイコー!」と、首相を「ちゃん」付けして感謝の叫び。ダウン症のある次男は、事態がのみ込めないまま月日だけが過ぎていきました。


〈前回はこちら〉ダウン症の孫を受け入れられなかった義父と、お別れの前に


 「学校は?」「学童は?」。次男は不思議そうに毎日、私に聞いてきました。「しばらくお休みなんだよ」。繰り返し交わしたこの会話もいつしかなくなって約1カ月。ついにやってきた「修了式」のための登校日。あまりにも長い休み期間ですが、本来の春休みがようやく始まります。

できないことがあっても。 休校のおかげで発見 

 ひさしぶりに耳にした「学校」の単語に、次男がこんなに喜ぶとは意外でしたが、とてもうれしい反応でした。みんなと同じようにはできないことがたくさんあっても、学校や学童で過ごす環境が、お友達が、次男は大好きなんだということがわかった。休校のおかげで得た発見です。

 一方の長男。「この長い休みに何をするかで人生が決まる」と、説いたのもむなしく、朝から晩までゲームざんまい。スマホを片時も離さず、手に握ったまま眠るほど。あげく、「絶対に勉強しません」と宣言して、かける声も失いました。そうか、そう決めたなら、それも君の人生だ。わが子が決めたこととはいえ、休校でガックリしたことの一つです(笑)。

ひたすらスマホゲームの長男、私に似たのか…

 私はといえば、「よーし、家にいる期間を利用して片付けに専念するぞ!」と思った3月頭から、何ひとつ進まないまま、むしろ荷物が増えている。「子どもが家にいると思い通りにはかどらないものねー」なんて言い訳をしながら、お友達と会ったり日々を楽しく過ごしていました。

 「よーし、やるぞ!」。今、目の前では、元気にスマホゲームにむかう長男の姿。この子は私に似て、勤勉とは言えないのかも…。これはトホホな発見です。

 多くの方が「しかたなかった」と思うことで、乗り越えようとしている今回の休校措置。この思いが報われ、終息へ向かいますように!(女優・タレント)

〈次回はこちら〉11・巣ごもりストレスで爆発 そのときダウン症の次男が…

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グッときた

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もやもや...

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すくすくボイス

  • 匿名 says:

    こんばんは🌙いつもママ友や子供たち、ご主人との愉快な生活を羨ましく思います😃
    私も👨👦ママで子供相手に🌋寸前の日もしばしば、そんな日は尊敬する先生の言葉〔試練は乗り越えられる人にしかやって来ないし得られるものがある〕そうです・この言葉を思い出し踏ん張って生きています、私はひとりぼっち😢だけど・・・佳江さんには理解ある仲間がいるじゃない❗
    ブログを見て【一人じゃない】私も同じ~一緒に乗り越えたい✊そう想えました🎵もう少し頑張ってみよ🙌えいえいおー🙋

      
  • 匿名 says:

    お義父様の日記と、今回を拝読いたしました。肩肘張らず、ほのぼのと拝読させていただきました。ご自身の幸せ感を伝えられる、その力は凄いなと、思いました。何が幸せなのか、物差しはありませんが、自分の幸せを伝えることってあまりないことに、気づきました。「ありのままを受け入れられる」そんな人間になりたいと思いました。

      
  • 匿名 says:

    佳恵さん・・・海外でも日本でもいい音楽を聴く事に興味を・・・何故なら歌詞の意味を知ろうとしたり想像力が湧いてきますよ。我が家の息子達は中学生3年の頃から海外の音楽に興味を持ち高校生まで弾いてました‼️勉強は・・・笑笑

      
  • 匿名 says:

    仕事上ダウン症の児童に関わることが多い私であります。なぜかどの子に出会ってもダウン症の子は本当に天真爛漫。人を笑わすこと、人を困らすこと(誤解があってはいけませんが困らす内容もこちらの反応は「しゃあないな」の苦笑いになる程度です)、人を癒すことに長けているのです。それぞれそりゃあ違う人間ですから違いはあっても天使パワーはすごいのです。お義父さんとのエピソードを聞き、本人を見て家族でもわからなかったのかー!と怒りもあり、でも最後にわかってもらえて本当に良かったと感じ、どんな人間も付き合ってみないとわからないからーとすべての人に言いたいです。不謹慎と言われても仕方がないですが、もしももう一人自分に子どもが授かったなら、ダウン症の子に出会いたいとも本気で思っています。その子の存在がその子にかかわる周りの人間を幸せな気分にさせる要素を持っていることを知っているからです。

      

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