就活中に乳児遺棄の容疑者、殺害の疑いで再逮捕 0歳児の虐待死は4割が「0日児」…母親は誰にも相談できず、追い詰められている
「就活に影響すると思った」
母親は「資金面に余裕がなく、赤ちゃんがいたら就職活動に影響すると思ったので殺した」と容疑を認めている。
再逮捕容疑では、昨年11月3日午後4時ごろ、羽田空港の多目的トイレで出産した女児の口にトイレットペーパーを複数回詰めた上、両手で首を絞めて窒息死させたとされる。
遺棄した翌日も入社試験へ
捜査関係者によると、母親は「殺すためにトイレットペーパーを口に何回か詰めた。首も絞めた」と話しており、捜査一課は明確な殺意があったとみている。母親は殺害後、宿泊先のホテルで遺棄場所をインターネットで検索。遺体はビニール袋に入れた上で紙袋で新橋の公園に運んでいた。胎盤などはトイレに流していたという。
当時、大学4年生だった母親は航空会社の客室乗務員を志望していた。遺棄した翌日も企業の入社試験を受けていた。
一課は延べ約1万人の捜査員を投入。3万人分の防犯カメラ映像を解析するなどして、母親を特定。今月1日に死体遺棄容疑で逮捕していた。
「0日児」トイレや風呂場の出産が大半 予期せぬ妊娠に悩んだら相談を
厚生労働省によると、2003年7月~2019年3月に虐待で死亡した「0歳児」は395人。そのうち、今回の殺人・死体遺棄容疑事件のように、生後24時間がたたないうちに死亡した「0日児」は156人で約4割を占める。予期せぬ妊娠を誰にも相談できず、出産直後に追い詰められる母親が多い実態が浮かんでくる。
0日児の加害者は9割が実母で、年齢は19歳以下が45人、20~24歳が29人の順だった。出産場所は自宅のトイレや風呂場が大半で医療機関での出産はなかった。死因は「口をふさぐなどの窒息」が33.3%と最多で「出生後、放置」17.9%、「絞殺」5.1%などだった。
親が育てられない乳児を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に取り組む慈恵病院(熊本市)は2007年5月の運用開始以降、150人以上を受け入れてきた。
慈恵病院の女性相談員は「悩みに悩み抜いたお母さんの最終手段としての窓口。『自分が産んだ赤ちゃんの尊い命は救われる』というお母さんの思いを大切に受け止めます」と話す。相談は、慈恵病院フリーダイヤル=(0120)783449=へ。
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