女子向けランドセル、多様に見えるが…性別役割の価値観が染み付いている
谷岡聖史 (2021年6月19日付 東京新聞夕刊)
男子は「活発」、女子は「おしとやか」?
4月、丸1年の育児休業を終えて職場復帰した。
育休期間の最後に、来年小学校に入る長女のランドセルを選んだ。
とっくに「男子は黒、女子は赤」の時代でないのは見聞きしていたが、いざ「ラン活」を体験すると、それは必ずしも多様性を意味しないのだと思った。
例外はあるが、大部分は男女別の商品展開。
男子用は主に黒や青系で「活発」「好奇心」などを、女子用はピンク、薄紫といった淡い色調で「おしとやか」「華やかさ」をアピールする。
見た目こそ多彩だが、古色蒼然たる性別役割のイメージが染み付いている。
実は歴史が浅い「ピンク=女性の色」
幼児の好みとして自然、市場原理や企業活動として当然…と納得しそうになったら、ぜひ堀越英美『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)のご一読を。
「ピンク=女性の色」は意外と歴史が浅く、戦後の米国主婦層に流行した後、日本では1980年代以降にアニメ、玩具を通じて拡大した。
ただの色や趣味の問題ではない。
ピンクやパステルカラーのカワイイ商品には「女の子は世話好き」などの価値観が組み込まれがちだ。理系進学者の少なさなど、女性のキャリア形成まで幅広く論じた1冊だ。
ちなみに、わが娘が選んだのは水色にピンクの模様で「カワイイ」趣味全開のランドセルだったが。
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知りたい
ジェンダーレスでなくては叩かれる時代に疑問も感じます。
ランドセルだって何だって、売れるものを作るのが商売。「らしい色が好きな人」が多いから、商売として成り立たせようとしたらこうなるのでは?
多くの人が欲しいと思うものを作ったらこうなった。大量生産の手頃な値段の物を売っている所へ行って「なんで自分の好みのものがないのか」と怒っても仕方のないこと。
革の色も糸の色も選んで作れるランドセル屋さんもあるので上手に選べると良いですね。
孫のランドセル選び、ラン活とやらに参加しました。
店頭に並ぶランドセル、なんとなく男女別に分かれている感じ。女の子のランドセルは、色華やかで、なぜか刺繍とやらまで施されている。もっとシンプルなのは無いのか?
孫は、茶色や、黒を選んだ。服にも合わせやすいし、鞄としての役割としては適した色だと思った。
結局孫の希望で、黒のシンプルなものに決まった。実際に、黒を選ぶ女の子はいるのだろうかと少し心配になった。大人だけでなく、子どもの中にも男は、黒。女は綺麗な色。と、当たり前のように思っている子はいないだろうか?いじめに遭わないかと。
女の子ランドセル黒で検索すると、黒ランドセルに刺繍が施されたものが出てくる。何故!疑問に思った。まだまだ、男女別にこだわった感じがある。何よりも、ずいぶん早くからランドセルを選ぶことや、色が多彩なこと、刺繍などがあることなど、非常に違和感が残った。
いささかジェンダーレスに過剰になっている風潮があるように感じる。選択肢が増えたことは素直にいいことだと思う。何でもかんでもジェンダーレス、LGBTQ理解!と言っていると話の本質を見失いかねない。
ランドセルの色にかからず、男女の区別はいまだに根強い。その区別というものを、差別と、動物学的な違いによる区別と、どこで線引きするのか。男性の体を女性の体にする手術はできるが、生まれた性をそっくり変えることはできない。この世の中には生物学的にオスか、メスしかいないからだ。
ランドセル問題は定期的に上がるけど、ジェンダーレスのカラーにしないといけない。という風潮になってしまっていないか、もう一度家庭内で考えてみる必要もありそう。些細なことでモヤモヤしていないか。何でもかんでも、あれはジェンダーレスじゃない!古い考えだ!と目くじら立ててないか……自身を振り返ってみては?
私はピンクや赤などのいわゆる女の子らしい色や明るい色が嫌で、青色のランドセルがほしかったのですが、結果的に手には入りましたが数があまりなく、親がとても探すのに苦労していた記憶があります。
あらま。私はネットでLGBTQ+への理解と意見を広める字書きという副業をしているのだけれど、ランドセルや制服など、学校が差別の温床であるというのは昔から言われていたんです。
私自身女装したゲイ(トランスジェンダーではない)及びノンバイナリーとして学生時代は苦労しました。
そもそもランドセルよりもリュックの方が軽くてコンパクトで安いし。
制服の多様性が話題になっているので通学鞄も認められるとよいですよね。
私は中学の入学式に初めて背負っていった帆布製デイパックの軽さに感激した記憶が。
おっしゃりたいこと、よく分かります。昔からある「男の子っぽさ」「女の子っぽさ」のイメージを強調した商品ばかりですよね。しかも年々ひどくなる。ランドセル業界とジェンダーレスは対極にある気がします。娘と、「ジェンダーレスなカラーで、男女を問わずお使いいただける落ち着いた色合いを採用」したという布ランドセル会社の展示会に行った際、どの色も安っぽくてピンとこず、代表の方に今後のカラー展開を伺ったところ、「今のところこの4色のみです。お好きな色はありませんでしたか?やっぱり娘さんはピンクがいいですかねー?」と言われ、びっくりしました。娘はピンクがいいなんて一言も言ってないのに、女の子=どうせピンクが好きなんでしょう?と決めてかかる発言をジェンダーレスランドセルを作っている会社の代表がしているわけです。もう、がっくり失望して候補から外しました。
ランドセルメーカーのWEBサイトで商品一覧を見ようとしても、必ず男女別を最初に選ばされたりしました。デザインはオプションで、最初は色選びから始めたりしたかったです。我が家は違いましたが、女の子で祖父母資本が入ると、必ず赤にさせられると聞きました…可哀想。。