〈国際女性デー 2022〉行政と対話し、提案する「ママ♡エンジェルス」全国に3000人超 政治の世界は男性ばかりだから
山口登史 (2022年3月7日付 東京新聞朝刊)
行政機関への対話と提案で、より良い未来の実現を目指そうと、全国の母親らでつくる消費者団体「ママ♡エンジェルス」が活動の輪を広げている。テーマは新型コロナ対策、食、教育など多岐にわたり、記者会見も積極的に開いている。関係者は「なかなか聞こえない女性の声を少しでも届けたい」と力を込める。
小児ワクチンめぐり千葉県庁を訪問
「心筋炎や血栓の副反応が報告され、13歳など若い世代の死亡例もある。判断材料が不十分だ」
5歳から11歳までのワクチン接種が千葉県内で始まろうとしていた2月21日、千葉市中央区であった記者会見。5歳と7歳の2人の子どもを育てるメンバーの女性は思い詰めた表情で、不安を打ち明ける。
千葉のグループ「ママ♡エンジェルス千葉」の和田香織代表(44)も「子どもの責任を取るのは保護者。丁寧に情報提供をしてほしい」と語る。
会見前には、千葉県庁の新型コロナ対策部門を訪問。ワクチンの高い効果が強調される一方、副反応や安全性に関する情報提供が少ないことを指摘したという。
「自分たちで社会を変える気概を」
ママ♡エンジェルスは、「ママファーストの未来を実現するため、行政との対話で社会の問題を解決する」との理念を掲げ、2019年に設立した。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表する男女格差の指標「ジェンダーギャップ指数」で、世界各国に後れを取る日本では、女性の地位が低いまま。そんな社会を背景に、母親らの間で共感を呼んだ。
現在、全国に300以上のチームができた。SNSなどを通じて会員数も増加し、3000人を超えている。新型コロナ対策を中心に、国会議員や中央省庁、都道府県や市町村の担当者などを訪れ、さまざまな要望を続ける。
中学生の息子を育てる和田さんは「日本の政治の世界には男性が多い。子育てする母親の気持ちになって、意見を少しでも政治に取り入れてほしい。1人の母親として、子どもに美しい未来を残したい。誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分たちで社会を変えていこうとする気概を持ち続けたい」と話す。
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日本の女性達にも頑張っていただきたい。県庁にワクチン情報提供を求めるなど、感心する活動に感謝。