「ぼくらの森」に迫る開発… 中学生が市長に「待った!」

曽田晋太郎 (2018年9月16日付 東京新聞朝刊)
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遠山課長(右)に要望書を手渡す中学生=相模原市役所で

 相模原市が市立清新小学校(中央区)内の遊び場「冒険の森」の一部に駐車場を整備する工事で、同校の卒業生ら中学生3人が14日、加山俊夫市長と野村謙一教育長に工事の中止を求める要望書を市教委に提出した。

 冒険の森は敷地面積5400平方メートル。ケヤキやイチョウをはじめ224本の樹木やコンクリートの築山などがあり、児童の遊び場として親しまれている。市の計画では、森のうち440平方メートルを10台分の駐車場に整備する。樹木は14本、伐採されるという。

 工事は同校に隣接する「清新公民館」の改修に伴い、駐車スペースの不足を補うため実施。市は地元自治会の代表者や利用者らでつくる公民館改修検討委員会の報告を受け、森の一部を駐車場にする計画を決めた。改修事業費4億3800万円を盛った予算案は、今年の市議会3月定例会で可決されている。

SNSで署名集め「子どもの意見聞いて」

 この日は、市立清新中学校1年の男女生徒3人が市役所を訪問。会員制交流サイト(SNS)などで賛同を得た同級生らを含め42人分の署名と合わせて市教委生涯学習課の遠山芳雄課長に要望書を手渡した。

 3人は「みんなで楽しく遊んだ思い出の場所を無くさないで」「大人だけで話を進めるのはおかしい。子どもの意見も聞いてもらいたい」「みんなが納得する駐車場の位置を選んでほしい」などと訴えた。

 駐車場を巡っては、8月上旬の着工予定だったが、保護者や住民からの反対意見もあり、工事は止まっている。市議会9月定例会の代表質問では、野村教育長が設置場所を再検討する考えを表明した。

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