全国に広がる有機米給食 都市部の世田谷区で「月1回」実現は大きな一歩
瀬野由香 (2023年12月3日付 東京新聞朝刊)
東京都世田谷区の公立小中学校の給食に10月から3月まで月1回、有機米が提供されることを東京すくすくで紹介しました。取材で訪れた区立下北沢小の小学5年生の教室では、子どもたちが「おいしい!」「うまい!」を連発し、もりもりと新米のご飯をほおばっていました。
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有機食材を使った給食は全国に広がりを見せています。これまでに、千葉県いすみ市で2017年に市立の全小中学校で100%有機米給食を実現したほか、千葉県木更津市では本年度、約6割を有機米でまかなう予定です。また、茨城県常陸大宮市でも農薬、化学肥料を使わない米を11月6日から来年3月まで毎日、市立小中学校15校で提供予定です。富山県滑川市でも市立小中学校9校で11月に2回、同様の米を提供しました。
食材をどこから調達するかに課題
農地の多い地域では地元で食材を調達しやすい一方、児童生徒数が多く農地が少ない都市部では、食材をどこから調達するかに課題があります。
世田谷区では、子どもの食をよりよいものにしたいとの思いを持つ区民らが、オーガニック給食実現に向けた全国集会を開いたり、区議会議員や教育委員会に働きかけたりして理解を得るための歩みを進めてきました。今回、区立小中学校90校の世田谷区で月1回でも実現にこぎつけたことは、とても大きい一歩だと感じます。
活動に関わる「子どもの食を考える会 世田谷」の鈴木智子さんは「子どもたちが喜んでくれたのが何よりうれしい。金銭面などの問題もあるが、徐々に回数を増やしてもらえたら」と話していました。
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