世界に1冊だけの絵本「こんにちは りこちゃん」 池袋暴走事故の遺族・松永さんの生きる力に 7回目の誕生日に思う命の尊さ
涙「このページを見ると…」
赤ちゃんが母親の胎内で育ち、生まれるまでの様子や家族の喜びを10ページで表現している。家族の希望に合わせて内容をアレンジできるベネッセコーポレーション発行の「お名前入りえほん」。松永さん夫妻は「りこちゃん」の名前と誕生日を載せた。
昨年末の取材中、松永さんは「途中まで読めるんですけど、このページを見ると泣いちゃう」と薬指で目頭をぬぐった。誕生の場面を描いたページ。
りこちゃん
いっぱい いっぱい がんばって
あいに きてくれたのね。
うまれてきてくれて ありがとう。
と書かれていた。
莉子ちゃんと一緒に犠牲になった妻真菜さん=当時(31)=は、妊娠初期に起き上がれない日があるほどつわりが重かった。松永さんは毎日、グレープフルーツを買って帰った。出産も立ち会い、痛みに耐える真菜さんを目の当たりにした。
莉子ちゃんは出生時3170グラム。松永さんが差し出した人さし指を左手で一生懸命、握り返した。そのぬくもりに松永さんは力強さを感じた。2歳半ごろまで夜泣きがひどく、二人で毛布をかぶって月夜に散歩したことも。全て、命の尊さを感じた思い出だ。「莉子の人生を通して、いろんなことを教えてもらった」
事故の翌年まで手に取れず
莉子ちゃんは、松永さんの寝かしつけではいつも絵本4冊を望んだ。自分の名前入りの絵本も好きだった。松永さんは読み聞かせながら「生まれてきてくれてありがとね」と伝え、ハグをした。莉子ちゃんも抱き返してくれた。
幸福な日々は2019年4月の交通事故で途絶えた。松永さんは四十九日まで毎晩、仏壇の前で絵本4冊を読んだ。だが、名前入りは手に取れず、事故翌年の1月11日に初めて読み返し、自宅で一人、泣いた。
2021年10月末から遺品の整理を始め、おもちゃのキッチンセットも手放した。「りこちゃん」の絵本は手元に残し、時々読み返す。読めば悲しみは募るけれど、幸せも思い出す。「命は全てかけがえないもの」と強く思い、交通事故を防いで命を守りたいと決意を新たにする。
生きる道を示してくれる
2022年3月、ツイッターで「お荷モツの子どもも居なくなった」などと書かれた。同年12月、投稿した男が侮辱罪などに問われた裁判で「娘がお荷物なわけがない」と反論した。取材には「真菜と莉子がいまだに生きる道を示してくれている気がする」と語った。
真菜さんとの約束通り、莉子ちゃんの誕生日には年の数の花を買う。今度の11日には7本。仏前に供えながら、胸に思う言葉はいつも一緒だ。
「お誕生日おめでとう。愛してるよ」
「お名前入りえほん」とは
ベネッセコーポレーションが2010年から発行する妊娠から出産がテーマの絵本。病院、産院との共同プレゼントなどで年間30万人の妊産婦に届けている。登場する子の名前を自分の子と同じにできるのが特徴。誕生した子だけ登場する絵本だったが、要望を受けて兄姉も出るパターンを増やした。「妊娠中に待ち遠しかった気持ちを思い出した」などの感想があるという。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
私は、遠くからいつも応援してます。
松永さんが、莉子ちゃんを心から優しい眼差しで見つめて、宝物の、莉子ちゃんにそっと手を差し出す様子を、テレビで見たとき、涙あふれ、今もその光景は、忘れません。
辛く、苦しく、悲しく、痛く、言葉では、表すことは、できませんが
私は、遠くから松永さんを応援し続けます。
やはり高齢者ドライバーの取り締まり厳罰化と認知試験強化はすぐにでもやらないとね。
だけどシルバー民主主義だし議員さんたちも高齢者ばかりだから多分無理そう。
この池袋の事故を、そして犯人を絶対に忘れてはならない。