イヤイヤ期の長男を育てながらの第2子出産 面倒見のよいお兄ちゃんになってもらうには?〈宮里暁美の子育て相談〉

(2024年10月11日付 東京新聞朝刊)

愛されていない、と思わないよう

 2歳過ぎの長男がいて、近く第2子(女の子)を出産予定です。長男は活発で、甘えん坊、イヤイヤ期でもあります。両親、祖父母でかわいがってきましたが、妹が生まれるとどうしても長男だけに集中できなくなります。自分は愛されていないと思ったりせずに、面倒見のよいお兄ちゃんになってもらうにはどう接したらよいでしょうか。(32歳母親)

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イラスト・永須華枝

大事なのはお子さんが「自分の気持ち」を出せること

 赤ちゃんの誕生、そしてお兄ちゃんの誕生おめでとうございます。家族が増えるということは大きな喜びではありますが、未知なことだけに不安な気持ちになることもよくわかります。出産を間近に控え、いろいろな心配が膨れ上がってきているのかもしれません。そんなお母さんの揺れる気持ちをしっかりと受け止めた上で言います。「大丈夫ですよ。安心して赤ちゃんを産んでね」と。

 どうして大丈夫と言えるの?と不思議に思うかもしれませんが、理由は簡単です。もうすぐお兄ちゃんになるお子さんが、活発で甘えん坊な、愛(いと)おしい子に育っているからです。みんなに愛されて健やかに大きくなっているからです。たくさん笑って楽しく過ごした記憶は、お子さんの中にしっかり蓄えられています。だから大丈夫なんです。

 赤ちゃんが産まれる、ということは一大事です。お母さんの入院、そして退院しても赤ちゃんの世話があり忙しくなるかもしれません。「お兄ちゃんになる!」ということを楽しみにする気持ちを持っていても、寂しい気持ちになることは十分予想できます。自分のことを忘れないで!という気持ちで甘えたり、すねたりすることがあるかもしれません。

 「自分は愛されていない」と思ってしまうことがあるかもしれませんが、それは悪いことではないと思います。大事なのは、お子さんが「自分の気持ち」をそのまま表せていることです。寂しいなら寂しいと、うれしいならうれしいと。どんな気持ちを表しても、しっかり受け止めてもらえたら、お子さんは、さらに大きな安心を手にするはずです。2人の子育てになると、1人の子に関わる時間が減るように思えますが、愛する気持ちは変わりません。愛する気持ちは無限のものです。だから大丈夫なんです。

(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

 

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