つくば市が新事業「アフタースクール」 親の就労を問わず放課後に児童を預かります 学童と一体運営、定員なし
沼崎小学校をモデル校に
放課後の児童が安心して楽しく過ごせるよう、茨城県つくば市は2025年度から、既存の学童保育とは別に、親の就労状況などを問わず子どもたちを預かる事業「アフタースクール」を始めた。学童保育の利用者も含めて多彩な活動の場を提供する。初年度は市立沼崎小学校をモデル校に実施し、課題や需要を検証する。

ブロック遊びなど思い思いの活動を楽しむ児童たち=つくば市で
学童より安い月3000円 習い事も
子どもたちの放課後の居場所づくりを求める保護者からの声を受けた。つくば市によると、無条件で預かるのは午後5時までで、放課後児童クラブ(学童保育、午後7時まで)の子どもたちと一緒に過ごす。定員はなく、利用料は学童保育より1000円安い月3000円。
従来の学童保育では、利用者は友人と遊んだり勉強や読書をしたりして過ごすのが一般的だった。2025年度からは新たに「アフタースクール」活動として、午後5時までの時間帯は、地域住民や各種団体とも連携してさまざまな活動をほぼ毎日用意し、子どもたちは自由に参加できる。
4月には、年齢や障害の有無にかかわらず楽しめる「ユニバーサルスポーツ」の体験会や、地元の人たちによるマジックショーなどがあった。今秋ごろからは習い事のような活動(有料を想定)も計画しているという。
学童の定員超過の受け皿として期待
つくば市は2025年度から、市営の学童保育に定員制を導入。定員超過で利用できず、空きが出るのを待ったり、民間を利用したりする児童も一定数いるとみられる。無条件での預かりは利用可能な時間は短いものの、そうした子どもたちの受け皿としても期待される。
モデル校の沼崎小の学童保育は5月1日現在、定員より1人少ない81人が利用。午後5時までの利用は、全児童の1割に当たる40人ほどが登録している。
近年は「学校で遊ぶ」ことが困難に
4月下旬には、五十嵐立青(たつお)市長が保育現場を見学した。子どもたちは希望する活動別に3班に分かれ、体育館ではスポーツ、教室ではブロック遊びや工作、読書などを思い思いに楽しんだ。
近年は主に防犯面や事故防止の点から、児童が放課後に教室や校庭に残って遊ぶことが難しくなっているという。五十嵐市長は「親が就労していなくても、毎日家にいるとは限らない。学童保育を利用していない児童の放課後の過ごし方にも目を向けた。他校にも、できるだけ広げたい」と話した。
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