長引く休校…大量の課題と「時間割」に保護者が悲鳴 家庭で管理するのは無理がある!

小形佳奈、奥野斐、小林由比
 
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学校から大量の課題を出されて悲鳴をあげている家庭も多い

 東京都内など新型コロナウイルスの感染が大きく拡大した地域では、3月に始まった休校が今なお続いています。当初の休校期間の目途だった大型連休明けには、小・中学校で大量の課題が出されて戸惑う家庭からの声も聞かれます。休校が長引く中、オンライン授業などで先生とのつながりを持てている子どもとそうでない子どもがいることも気がかりです。都内の公立学校に子どもを通わせる親の思いや、教員の意見を取材しました。

山のような課題「1学期の成績に入ります」

 世田谷区の区立中学に次男(2年生)が通う母親(51)は、今月11日の登校日に息子が山のような課題を持ち帰ってきて驚いた。朝9時から午後3時までの時間割も添えられていて、保護者には「配布した時間割通りに毎日しっかりと学習させてください」「在宅学習期間中の課題への取り組みは1学期の成績に入ります」とのメールも送られてきた。「これを家庭の自己管理で完結させるの?」

 休校が始まって3カ月目。母親は「子どもたちの学習の遅れを少しでも補おうと学校や先生たちが頑張ってくれていることは分かるんです。でも、新しい学年の内容を教科書を見ながら時間通りこなすのは、子ども一人では難しいと思う」と話す。

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時間割に沿って学習する中学生

 家庭によっては落ち着いた勉強スペースが確保できないかもしれない。図書館や児童館など子どもが過ごせる場所も開いていない。「先生たちの仕事は教えることで、管理することじゃないはず。ベルトコンベヤーに子どもたちを乗せてるだけに見える。それよりは、電話1本かけてくれて、子どもに声をかけてくれるほうがありがたいと思うのだけど…」

計画表に「何分やったか」チェック欄まで…

 墨田区の区立小学校5年の男子児童の母親(45)も「これまでの2カ月と比べて、課題の量が格段に増えた」と感じている。漢字ドリルや算数の教科書の練習問題のほか、NHKEテレの番組を見た感想文や、雲の観察などの新学年の単元にも取り組むことになっている。縄跳びやストレッチなどの体力づくりまで細かくやるべきことが計画表に書き込まれていて、それぞれ何分やったかチェック欄も。

 来週以降も週1回の登校日が設けられ、その際に一部の課題は提出する。「ふだんだったら計画的にやれたかもしれないけれど、正直、親も子も学校に行かない生活に慣れてしまっているし、いつもと違う生活への疲れもあって、学習習慣や気力が落ちている部分があるので負担は大きい」

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多くの学校で「時間割」が配布されているようだ

オンライン授業…親の会議と重なったら?

 今後オンライン授業を進めるための準備として、家庭のネット環境について尋ねる調査用紙も配られた。「家にあるパソコンでやらせようと思っていたけど、夫も在宅勤務でオンラインミーティングなどの時間と重なる、ということもありそうで…。パソコンを買いました。オンラインもやるとなれば、家庭の環境も整えなくては」

 すでに先行してオンライン授業をやっている地域や自治体があることについては、「今の時点では仕方がない面もあると思う。でも、今後もどういう状況が続くかわからないのだから、どこの学校に通っていても同じように学べるように国がしっかり考えなくてはいけないのでは」と投げかける。

「未就学児がいる家では絶対に無理では」

 文京区立の小学校に3人の子を通わせる女性(49)も11日に3人が課題をそれぞれ持ち帰ったときは「バタバタでどうなることかと思った」。

 この学校でも朝から午後にかけて、学習スケジュールの参考にするよう時間割が出されたが、6年生の長男と4年生の次男に出された課題の量はさほど多くなく、「1時間くらいでこなしている感じ」だ。それでも、「きょうだいそれぞれ課題のボリュームが違うので、目を配るのは大変。うちは小学生3人なのでなんとかなるけれど、就学前の弟や妹がいる家は絶対に無理だと思います」

 社会の教科書○ページ~○ページ、などと「何をやるか」は細かく示される一方、この単元で何をつかみとるのか、などの説明がないので、消化不良にならないかと感じる。18日からはZoomを使った双方向性のオンライン授業を始める、との連絡もきた。「必ずしもオンラインではなく紙の課題でもいいとは思うが、この単元では何を覚えてほしいのか、身につけてほしいのかを先生から伝えてもらうことが大事なのでは」

悩む教員「通信環境が整っていない家庭も」

 先生たちも手探りが続く。墨田区の公立小の男性教諭(36)は、「オンライン授業や動画配信に力を入れる学校もあるが、勤務する学校の子どもは情報端末を1人1台持っているわけではなく、通信環境が整っていない家庭もある」と話す。教員にとってもオンラインで子どもを教えるというのは経験のないこと。「教科を教えるのに特化して考えれば、塾の先生の方が進め方は上手かもしれない」と気持ちを明かす。

 「でも、学校は勉強だけをする場所ではない。学校の先生がやるべきことは、子どもそれぞれの努力や過程を認めてあげて、人間的な成長を支えること。休校中の学習支援でも、一方的に課題を出して終わりではなく、子どもの能力や親の負担などを考え、結果だけにとらわれないことを大切にしたい」

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  • 匿名 says:

    課題については本当にひどいと思います。
    なまけずにちゃんとやれよといわんばかりの出し方に悲しくなります。学校や教師から送られてくるメールを見ていると、届く先一人一人の子どもの姿がちゃんと見えているのかなと心配になります。小、中、高、大すべての子どもの声に耳を傾けて欲しいです。

      
  • 匿名 says:

     現役の中学校教諭です。
    学校批判、教師批判の書き込みに怒り心頭です。

     この4月に異動になり、初めての学校で、初めての生徒と保護者と、入学式の日に数十分顔を会わせただけで休校になってしまいました。しかも、休校を伝えられたのはその入学式の前日です。加えて当日のスケジュールも大幅短縮。大量の配付物と事務連絡だけで終わってしまい、子ども達とまともに話すことすらままなりません。
    それでも、何とか繋がりを作ろうと、前日は夜遅くまで残って学年や学級の通信を作って、子ども達に前向きに過ごすようメッセージとして伝えました。

     その後の休校期間中も、
    ・再開に向けて感染防止対策を講じた教室環境をどうするか
    ・子ども同士が感染しないように「密にならない」「話し合わない」「声を出さない」「互いに接触しない」で、昨年度のやり残しをケアしつつ、新年度の内容も加味した学習を成立させるカリキュラムをどう組み立てるか
    ・再開後の第二波、第三波も想定しながら、それでも子ども達の成長を促す学校行事をどう確保するか

    そんなことを連日話し合って、内容が固まってきた頃に、更に休校延長の連絡が入っては、これまでの対策が全てご破算になってまたゼロからやり直し…の繰り返し。

     家庭訪問だってしましたよ。来ないと文句を言うくせに、行けば行ったで「コロナで心配なのに家まで来るなんて非常識だ」と結局文句を言われました。
     電話だってしましたよ。でも、学校に電話回線が何本あると思っているんでしょうか。私の地域はせいぜい2~3本です。その数で、全ての担任が、全校の何百人という生徒の家庭に交代で電話をするんですよ。当然、繋がる家庭ばかりではないので、一通り繋がるだけでもどれだけの日数を要することか。中には平気で「仕事で忙しいから帰ってからの7時以降に電話しろ」と注文する親もいるが、そのせいでこっちは仕事が終わるのはあなたよりも遅くなります。私にも家で休校中の子どもがいるんですが。

     課題を出したら出したで学校を叩き、出さなければ出さなかったで学校を叩く。
    じゃあどうして欲しいんですか?教科書だって、副教材だって、本来読めばわかるようにできてるんですよ。文句を言う保護者の方も、義務教育を修了しているんですよね?

    「給料もらってるんだろ」と平気で言う親に限って、勤務時間外に、勤務内容で無いことまで要求してくる。
    「教師が工夫して方法を考えろ」と言う親に限って、「あの先生は◯◯してくれたのに、この先生は何もしてくれない」と、要求がエスカレートする。
     学校の先生に、時間外に働いた時間に応じた残業手当なんかないことを知ってて言っていますか?

     これまで何でもかんでも学校に押し付けてきて、それが家庭に返ってきたら「できない」と大騒ぎする。子どもの成長を全部学校に丸投げするんだったら、家庭の役割は一体何なんですか?コロナが収まったら学校が担うべき役割を考え直すいい機会になればと私は思います。

      
  • 匿名 says:

    もう休校となって3ヶ月。ようやく緊急事態宣言が解除され6月1日から分散登校となります。我が子は新中学1年。小学生と比べて学習が難しくなる事に不安を抱いての入学、、六年生のカリキュラムもまだ終わってないまま小学校を卒業しているので不安は募るばかり。中学からは何の授業もしないまま宿題だけが渡されて、時間割程度の家庭学習を勧められました。数学は未履修箇所から宿題が出され、わからないままも一生懸命に時間をかけて解く毎日。提出した翌週返ってきたのは、無情にも大きくバツがつけらたプリント。泣きながらもうわからないよ、やりたくないと言う子供、よくよくみると符号の計算間違い。ここでマイナスを見落としてるよ!と話して、あっそうだったのか、、もう数学やだ、嫌いだよ、、その日に学校ホームページにアップされた数学教師からのコメントには、この休校期間中サボっていると差が開き受験で苦労します。と言う内容、、全く宿題を出さない子もいるのかも知れませんが、授業をしていない箇所を宿題で出してこの言い方はないんじゃない?と思って学校教育に不信感が募りました

      
  • 匿名 says:

    うちの息子4年生の学校は割と課題が少ない。なので、もらってきた1週間分の課題を息子は1日で終わらせてしまう。けれど、全然課題をやっていない子もいるようで、本当に家庭と本人の気持ち次第。
    体操をやれと言われても、マンションの我が家でヨガマットもなく、音が鳴るようなダンスは無理。縄跳びの課題もありましたが、ステイホームと言われているのにどこで縄跳びをするのか疑問でした。
    調べ学習もありましたが、狙いがインターネットを使って調べることと後からもらった手紙に書いてあり、(持っていた本を使って調べてました)子供専用にセキュリティをかためた端末を用意してなかったのでさせていません。
    もともと学校の手紙はいろんな情報が散漫で、よく読まないと見落としてしまう情報も多いし、仕事をしている親が子供につきっきりで勉強の指導をするわけにも行かず、厳しいです。

      
  • 匿名 says:

    東京都の公立小学校の5年生です。学校から渡された課題は、4月までは「目安です。」だったのが、GW明けから「この通りすべてやらせてください」に変わりました。4月までは、東京ベーシックドリルをメインに、国語、算数、理科、社会、そして自由課題の図工とチャレンジとして音楽。5月からは、国語、算数、理科、社会が新学年の単元に変わり、ドリルや問題集、教科書の音読と問題の解答。図工と音楽では作品の制作と提出、歌とリコーダーの課題曲の練習。さらに、書道に英語に道徳、総合学習としての調べ学習まで加わりました。そして、先日、道徳や総合学習までも、提出された結果だけみて「評価する」と言ってきました。答え、作品が出来上がる過程でサポートは一切ありませんでした。丸投げです。電話の一本もかかってきたことがありません。お手紙ではいつも「ご家庭のご理解とご協力をお願いいたします。」「ご協力ありがとうございます。」だけで、「学習面で困ったことがあったらいつでもご連絡ください。」などの文面は見たことがありません。

    道徳が学校での教科になった経緯を教員の皆さんは知らないはずがありませんよね?各家庭の教育力が低下して道徳を学校で教えなければならないって決めたんじゃありませんでしたっけ?それなのに、緊急事態になったら「道徳」を家庭に丸投げするんですね。しかも、普段は教室での議論を経て自分の意見を書くプリントだけぺらっと1枚もらってきただけで、学習の「めあて」や「ねらい」も不明確。教えることに不慣れな親に対しても何のサポートもありませんでした。せめて指導案付きで出すとか、「分からなければ先生に聞いていいよ」の一言を伝えるとか、手紙に書くとかしてくれれば、ここまでの不信感は持たなかったでしょう。

    何も指導していないのに評価だけするっていうんですか?信じられませんでした。指導するから評価していいいんです。その結果を受けて教え方を改良するっていう面があるからです。親が教えたか自力でやったものを教員が評価だけすることに、何の意味があるのか、どう使うのか、分かりません。納得できる説明が欲しいです。学校、バカなの?

    総合的な学習の調べ学習については、ご丁寧に「例」までつけてくれましたが、図書館も図書室も閉館で使えず、ネットへのアクセスも全ての子に保証されていないこの状況で出すべき課題だったのか、激しく疑問です。せめて、図書館が使える時に出すという配慮ができなかったんですかね。「夏休みの自由研究をイメージして」とのことでしたが、夏休みの自由研究は評価対象でないから自由にできるんです。情報へのアクセスが制限された中で調べ学習を課して、評価するという姿勢に、この人たち、学校でしか生きていけないバカなのね、としか思えませんでした。

      

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