千葉県の公立中、55自治体のうち54で髪の長さ規定 36自治体は下着の色や柄も指定 ブラック校則調査で判明
弁護士会「社会通念上の合理性ない」
昨秋から、千葉県弁護士会のプロジェクトチームが独自に調査を実施。公立中の校則で「靴や靴下、ベルトやコートに指定はあるか」「友人宅への外泊は禁止か」といった30項目余りを各教委に情報公開請求し、「自治体名を公表しない」との条件で回答を得た。
髪の長さのルールはほぼ全自治体であった。「髪を束ねる場合は2本以下、位置は耳の真ん中より下」など指定が細かいケースが目立った。定めた理由としては「大人になり服装などに制約ある業務に就く場合、その趣旨を理解できる社会人を目指す」「外見ばかりにとらわれず充実した学校生活を送るため」など。
下着や肌着も「白に限る、無地とする」などと規定する学校があり、理由は「社会人になってもワイシャツの下に着るのは白が一般的だから」「流行に影響されず家庭の経済的負担を最小限に抑えることができる」などとされた。
プロジェクトチームの村山直(すなお)弁護士はこれらの校則について「子どもには大人と同様に権利があり、自由が原則なのに、明らかに必要最小限度の範囲を超えている。ルールを課す理由も大人側の押し付けで、社会通念に照らして合理性がない」と指摘する。
教職員も疑問「子どもが言いなりに」
この他、県内の小中高校生や卒業生、保護者を対象にインターネットでアンケートを実施。190件余りの回答中、93%が「校則に疑問がある」と答えた。そのうち70%以上は頭髪や服装、持ち物などの見た目に関する内容だった。
教職員からも「自分で考えず言いなりになる子どもを増やすだけだ」「管理職が『だめに決まっている』などと言って、若い世代の意見が聞き入れられない」などの声が寄せられ、疑問を感じながらも続けざるを得ない様子がうかがえた。
校則を改定できる仕組みづくりが重要
村山弁護士は「学校や保護者だけでなく、子どもたち自身が中心となって意見を表明し、校則を改定できる仕組みを各校が整えることが重要だ」と強調。今後、調査結果をインターネットなどで公開するという。
ブラック校則は近年全国各地で問題視され、県内でも2019年に県立高の女子生徒が教諭に黒の髪染めスプレーを吹き掛けられる事例があった。文科省の有識者会議は8月、子どもの意見を反映し、校則の検証や見直しを求める教員用手引書「生徒指導提要」の改訂版をまとめた。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
おかしな校則は撤廃しても良いと思う。しかし、少し待って欲しい。例えば現場で「髪の色は自由」と「改善」され、それに従って金髪や青髪で就職試験を受けに行った高校生は、事業所によってはそれを理由に不合格にされることも可能性としてはある。改正の暁には「生じた不利益に対して、学校に怒鳴り込まないこと」という附則も必要ではないか。
もう一つ。改正に向けて、具体的には生徒会を担当教師団が動かすことになると思うが、「あなた達の意志で改められたルールに対し、責任を持つように」という自覚が全ての生徒に浸透するか否か。「多数決になるかもしれないが、(逆に)改正反対と考える友人達をどのように納得させるか」等、難しい問題を含んでいる。
村山弁護士でも誰でも良いが、「世間の常識に沿った校則」や「改正までの流れ」を具体的にご指導頂けないか。教員は長年世間から叩かれ続け「守るべき学校常識」が解らなくなってしまった。
見直しでは甘い。校則そのものを撤廃すべきでしょう。見直したところで世の中の関心が薄れたらブラック校則に逆もどりするだけ。