〈高野優 思春期コロシアム〉保育士さん、育ててくれてありがとう

(2019年5月17日付 東京新聞朝刊)
 大津市で5月8日、散歩中の保育園児たちの列に車が突っ込み、園児が犠牲になる事故がありました。幼い子どもを持つ親や保育園や幼稚園で働く先生たちにとって、本当にショックな事故でした。一方、事故を機にあらためて毎日子どもたちの安全を守ってくれている保育士さんへ、ありがとうの気持ちを伝えたいという声もSNSなどで広がっています。東京新聞生活面で「思春期コロシアム」を連載中の高野優さんも、かつての自身の経験を振り返り、その気持ちをつづってくれました。

ラブレター、届きますように…

 10年以上も前の昔話、車を運転中に赤信号で止まると、散歩中の保育士さんたちが横断歩道を通った。子どもたちの安全を守りながら、歩くように促す保育士さん。園児の姿はさながらカルガモのようで、その列に入園したばかりの三女がいた。

 「保育園にいれるなんてかわいそう」という言葉を、いったい何度耳にしただろう。胸がぐらりと揺れた日もあったけれど、目の前を歩く三女は、かわいそうな子どもではなく、はじけるほど元気な子どもに他ならなかった。

 これはきっと保育士さんへ向けたラブレター。子どもたちの土台を築き、未来へとつなげてくださるすべての保育士さんへ、ありったけの感謝を込めて。どうか一人でも多くの方に届きますように。 

※最新刊「思春期コロシアム」(東京新聞刊)発売中

たかの・ゆう

 漫画家。3姉妹の母。長女と次女は社会人。三女はサッカー漬けの高校生

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