口コミいっぱい「子育て地図」 ベビーカーOKのカフェ、誕生餅ある和菓子店… 横浜のママNPOが作成

丸山耀平 (2019年9月30日付 東京新聞朝刊)
 横浜市鶴見区の子育てに役立つ情報を盛り込んだ地図を作るNPO法人「つるみままっぷ」の代表・今井幸子さん(50)。おむつ替えスペースがあるトイレ、ベビーカーで入れるカフェ、誕生餅を予約できる和菓子店などが掲載されたA1判の地図は、幼い子どもがいる親に欠かせない存在になっている。
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子育て情報を盛り込んだ地図を手にする今井さん=横浜市鶴見区で

自身の子育てがきっかけ「親同士の話が苦手で、引きこもりがち」

 地図作りのきっかけは、自らの子育て体験にある。長男が1歳を過ぎると区主催の育児教室に通えなくなり、専業主婦のため社会とつながりが薄れた。「親同士の立ち話が苦手で、子どもと行く場所の情報が入ってこなくなり、家に引きこもりがちになるという負の連鎖だった」と途方に暮れていた。

 助けてくれたのは、たまたま知り合った近くに住む子育て中の母親。「あそこにプレイルームがあるよ」などと教えてもらい、何とか子育てを乗り切った。

 「立ち話で入ってくるような口コミ情報が載っているマップがあれば、同じように悩む親の役に立つはず」。長男が3歳になる直前の2008年9月、自宅のある寺尾地区の地図作りを開始。賛同した母親7人と手分けし、子どもを連れて街をくまなく歩いた。

メンバー18人で年1回改訂 「地図作ると地元が大好きになる」

 「階段しかなくてベビーカーでは通れない」「急な坂道がある」など、歩かなければ分からない細かな情報を集めた。2009年3月に初めてのマップが完成し、地区センターや自治会館などで配布した。すぐに「うちの地区でもマップを作ってほしい」と依頼が相次ぐほど評判が広まり、6年がかりで全域の地図を作り上げた。

 現在、メンバーは18人に増えた。新たな施設の情報があれば、メンバー間で共有。年に1回、地図の改訂を続けている。

 NPO法人格を取得した昨年は、増え続ける外国人の子育て世帯のため、中国語版の地図を作製。来年1月には英語版を発行させようと活動中だ。数年前からマップを活用したパパとの散歩会や子育て情報の交換会にも力を入れる。

 「他の地域でも同じように地図を作りたいと思ってもらえる人に出会いたい。地図を作ると街を知ることができて、地元のことが大好きになりますから」とほほ笑む。

つるみままっぷ

 2008年9月に発足した「てらおままっぷ」が前身。現在は地図の改訂のほか、母親たちのたまり場「ままりば」の開催などに取り組む。「ままっぷ」は自分の居場所を見つけるための「MY MAP(マイマップ)」を見つけてほしい、との願いを込めた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年9月30日

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