〈坂本美雨さんの子育て日記〉39・「あそべないの、コロナだから~」 誘いを断った後、娘は泣き崩れた

(2020年4月17日付 東京新聞朝刊)

坂本美雨さんの子育て日記

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怖がっていたブランコもいつのまにか高く高くこげるようになった春

ステイホーム生活、母子とも少し不安定かも

 保育園に行かなくなって数週間。園での生活リズムもすっかり消え、昼寝をしなくなったが、先日はケンカして私がフテ寝、彼女も泣きながらくっついてきて寝た。そんな日も、ある。原因は、私との約束を忘れて上の階に住む子と遊びに行ってしまったから。そんな些細(ささい)なことだが、私もステイホーム生活ですこし不安定だったかもしれない。

 最近の娘は同じマンションの子たちと庭で遊ぶのが日課になっており、「あそぼー!」と迎えにきてくれるのが昔ながらで良いなと思いつつ、その誘いに対する執着がとても強くなり、大慌てで飛び出していくさまに、やはり友達が恋しいのだなと胸が痛む。


〈前回はこちら〉子どもたちにならって、この状況を乗り越えたい


 このコロナデイズ。私たちは毎日小さな判断を積み重ねて暮らしている。今は変化していく状況を見ながら、子どもに関しても例えば人が少ない時間帯の公園はOK、など個人的なルールを定めているけれど、初期の頃にはなんでも漠然と怖い時もあった。

娘自ら伝えたことに驚き、抱き合って泣いた

 ある日娘が友達と「あとで公園にいこ!」と約束をしてきたが、その時私は家庭によって価値観の違いがあることに疲れていたため、さまざまな人が集う公園が不安になっていた。そのことを娘に説明すると神妙な面持ちで素直にうなずいてくれた。

 そこへ、お友達が彼女を迎えにきた。私が説明しなきゃな…と思った途端、娘がガラッとベランダの扉を開け「ごめんねーー! ○○ちゃん、あそべないの、コロナウイルスだからー!」と自分でしっかりと言い放ち、扉を閉め、それから泣き崩れた。彼女が自分の意思で伝えたことにびっくりして、抱き合って一緒にわんわん泣いた。こんな小さな子どもが当たり前のことを我慢しなきゃいけない世界なんだと初めて迫ってきて、猛烈に悔しさが込み上げた。

子どもも大人も、みんな傷ついているからこそ 

 コロナによる生活や仕事の変化には冷静に対処していたし、もっと大変な人が周りにもいるんだから…と思っていた。娘もちゃんと説明すればなんでもわかってくれた。それでも、娘と一緒に声を出して泣いた時、彼女も自分も傷ついていると知った。命をかけてきた自分の仕事ができないこと、大好きな友達に会えないこと、目に入る死亡者数、人との価値観のズレ…子どもも大人も、みんなたくさん傷ついているのだ。まずはそのことを認めて、解放して、それからできることを日々考えよう。我慢することばかりじゃない、こんな時だからこそ触れられる愛がたくさんあることを感じながら。 (ミュージシャン)

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  • 匿名 says:

    記事を読んで、泣くことができました。
    子育てをしていると、自分の気持ちをおいてけぼりにして、あれ何考えてたっけって悲しい気持ちを心の中で迷子にしてしまいがちです。美雨さんの記事を読んで、その悲しい気持ちを思い出しました。ありがとう。

      
  • 匿名 says:

    自己免疫疾患を持つシングルマザーです。人一倍感染症に罹りやすく、コロナ以前から一年中マスクは欠かせません。自粛の中、近所のお友達が遊びに誘いに来ることもしばしばあります。ひとり娘なので友達と遊びたいに決まっているのですが私への感染を心配し断ってくれています。知らず知らず娘に我慢をさせている事に自責の念にかられる時があります。でも美雨さんのお子さんの判断は大きくなった時に自分は間違ってなかった。と胸を張って言えることです。素晴らしいです。今は悔しくても。
    困難な時こそに人の真価が問われる時だと思います。命あってこそ。

      
  • 匿名 says:

    ありがとうございます。傷ついている。本当にそうです。自分の気持ちに気づきました。肩に力を入れて前向きに、前向きにとばかり思っていましたが、まずは自分の素直な気持ちを受け入れて、それからだね、、、と力が抜け涙が流れました。

      
  • 匿名 says:

    この記事を読んで号泣しました。
    思ってた以上にコロナに傷付いていたんだと思います。
    号泣出来て良かったです。少しスッキリしました。

      
  • 匿名 says:

    同じ子供を育てる親として、なまこちゃんの小さいながらに、ちゃんと我慢している姿に涙が溢れました。私も大事な家族が居て、守らないといけない宝物も居る。こんな状況だからこそ、家族の繋がりに感謝です。美雨さん、なまこちゃんありがとう。

      
  • 匿名 says:

    311の震災の時も、東京に住んでいる私は直接的な被災者ではなかったけれども、自分が深く傷ついていると気がついたことを、美雨さんの記事を読んで思い出しました。傷ついている自分を大切にしながら、この日々を乗り越えていきたいですね。

      
  • 匿名 says:

    私は2歳半の娘を持つ母親です。私は家事やヨガ、庭いじりをして過ごしていたので、stayhomeをあまり苦痛に感じていないと思っていました。ですが先日、娘が「おばあちゃんに会いたいよ」と言いました。今まで月に一度遊びに来ていたのですが、急に会えなくなって寂しいようで、今はおばあちゃんに会えないと伝えると号泣したのです。その涙を見て、私も涙が止まりませんでした。毎日の感染者数の増加や、マスクが手放せない日常、家族を守りたいという気持ちに、私も疲れていることを感じました。今回の坂本さんの記事にもとても共感しました。でもstayhomeで仕事が少ない主人が娘と仲良く遊ぶ姿や、日頃話せないことなどを共有したりと、主人との絆が深まっていることも感じています。私は、試練は必ず何か伝えようとしていると思っています。時間があるからこそ出来ることを、心の健康も大事にしながら、今を過ごしたいと思っています。

      
  • 匿名 says:

    一児の母です。
    ここ数日間、「うちはしっかりと対策出来ているし、大丈夫、大丈夫。私がしっかりしていなければ。」と自分に言い聞かせてきました。
    しかし、この記事を今読んで涙が溢れてきました。自分も傷ついているのだと気付くことができました。
    美雨さんも書かれているように、「もっと大変な人が周りにいるんだから…」そんな言葉で自分の気持ちに蓋をしてきたのだと思います。
    辛いことは辛い。悲しいことは悲しい。もちろんもっと大変な状況にある人はたくさんいるけど、自分の気持ちに蓋をしてもその人たちの為にはならないから。
    自分の気持ちと向き合うことの先に誰かのためにできることがあると信じています。
    素敵な日記をありがとうございました。

      
  • 匿名 says:

    老若男女、大人子供、豊かな人そうでもない人、関係なく世界中の人々がコロナ収束と言う同じ目標の為に、苦しく悲しい思いをしている。誰も経験していないから誰も責められないと思う。
    皆んな頑張っていっぱいいっぱいになってきてるから、泣きたい時は泣き、笑える事を探せたら笑いたい。せめてその感情は自粛させないでいたい。
    私は今、病院が面会禁止なので入院中の家族に会いに行かれないので、悲しすぎて泣いてる。でもそれは我慢しないで泣いてる。この数ヶ月でめまぐるしく変わった生活から学んだ事は、とてつもなく大きい…

      
  • 匿名 says:

    先が見えない状況で、前向きな日もあればとびっきり後ろ向きになる日もあり、母とはいえ不安定になりますよね。
    今日の雨上がり、人がいない道を選び子供2人と手を繋ぎ散歩をしました。「外って気持ちいいね!」と4歳の息子が言い、六地蔵に向かって「コロナが良くなりますように」と長男が声に出してお願いをし、2歳の息子と3人で手を合わせ笑顔で帰れた今日は、前向きな気持ちになれました。
    なまこちゃん、美雨さんに沢山の笑顔が訪れますように。

      
  • 匿名 says:

    私も同じくらいの娘がいて、本当に同じようなことを思っていました。
    子どももフラストレーションが溜まり、いつもより我儘なことが多くて、それを叱っていいのか悩みます。
    あまり叱りすぎても子どもが壊れてしまう。でも、いつもよりパワーアップした我儘に付き合うにも限界がある…。いつまで続くか分からないこの状況で、なあなあになってしまうのが怖いのもあります。
    毎日葛藤し、子どもと共に泣いています。
    そこから前へ道が開けるのか、分かりませんが、頼れるものは何でも頼ろうと思います。
    感情を出すことは悪くはないかもしれない。二人で泣けているのはまだいいことかもしれない。

      
  • 匿名 says:

    うちの子も、ひとりっこですが、年の近い兄弟姉妹がいたら、家で遊んでも退屈しないのにな、と思うようになりました。
    今は、私ができる限り遊び相手になるように努力しています。

      
  • 匿名 says:

    なまこちゃんの感受性の豊かさ、物事や感情を正直に受け止め、そして表現できること、こちらにも伝わります。

      
  • 匿名 says:

    みんな頑張ってる。世界中が同じ苦しみを分かちあってる。世界平和、という言葉の意味を考えます。
    美雨さんとなまこちゃんの涙も。世界の親子ちゃんの涙も。共に傷ついたり葛藤したりしながら、当たり前が当たり前でなかったことをかみしめている。
    きっと乗り越えた先に世界中の人とハグしたくなる。お互いの健闘を称えあえる、そんな日を待ちながら。
    今、みんなで、目の前の人や、見えないけど遠くで頑張ってる人、そして自分の心と体を、大切に。StayHome!!

      
  • 匿名 says:

    わがやも同じようなことがありました。
    息子がどうにか自分で自分を納得させようと泣いている姿に、私も切なくなりした。なまこちゃんとみうさんのような、切なく静かな怒りのこもった涙が、フォーカスされることは少ないけどもたくさん流れてるんだろうな。。こうして記事にしてくださったことで、自分たちの悲しみが「あっていいものなんだ」と思えました。ありがとうございました。

      
  • 匿名 says:

    同じく私も涙が溢れました。
    終わりの見えないこの状況。苛立ってみたり不安になってみたり…。目に見えないものとの戦いだからこそなのか毎日色んな感情が押し寄せます。
    家庭それぞれに価値観の違いはあれど同じ思いの人は沢山います。
    寄り添いたい。

      
  • 匿名 says:

    涙がポロポロ…と
    本当に。どこにこの気持ちをぶつけていいのかわからない。
    先が見えない。不安しかない。つらいけど、前を向かなければならない。
    小さな子どもに こんなに負担をかけて…
    美雨さん素敵な日記をありがとうございます。

      
  • 匿名 says:

    私も涙があふれました。
    子供も大人も見えない恐怖や不安の中での日々に疲れ始めてるからこそ。沢山の人に読んで欲しいなぁと感じました。

      
  • 匿名 says:

    きっと同じ思いの人が沢山いる。
    私も涙が出ました。

      
  • 匿名 says:

    美雨さんの子育て日記にはいつもなんだか涙が滲みますが、今日の日記には思わず声に出して泣いてしまいました。わたしはこどもはまだいませんが、こどもと関わるお仕事をしています。今その大好きなお仕事を感染防止のために全て自粛し、自主ロックダウンをしており、こどもたちに会えない悔しさを毎日感じています。
    美雨さんの優しい文章を読んだことで、我慢していた涙をたくさん流すことができました。この気持ちを忘れたくないです。

      
  • 匿名 says:

    あの日の投稿の涙、グッときました。私もいよいよ休業になり、お金のこと、自分のリズムのこと、持病のこと、実家のこと、誰とも言葉を交わさない毎日…悩みは尽きません。不安と孤独で苦しい毎日です。ちいさなあの子も頑張っているんだ、私もなんとか生きよう。がんばりましょう。

      

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