育休明けの先輩たちの不安、同じ立場になって初めてわかった 連載 〈パパたちはどう生きるか〉の担当記者が職場復帰

大久保謙司
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育休中、公園で息子と過ごす筆者

仕事への不安、子どもと離れる寂しさ

 約半年間の育休から職場復帰した。復帰の朝、1歳を迎えた息子の覚えたての「バイバイ」に送られて家を出た。玄関を出た時、強い緊張を感じた。職場への道のりがとても長く感じた。

 育休に入ったころ、ころころとした「赤ちゃん」の姿だった息子は自分の力で元気に遊び回る「子ども」に育った。できることが一つずつ増えていく息子と一緒に過ごすことができた。幸せだった。

 ただ、復帰が近づくにつれ、不安な気持ちが少しずつ膨らむのを感じた。これほど長期間、仕事のブランクができたことはなかった。人に会い、話を聞き、原稿を書く。当たり前にやってきた仕事が途方もなく難しいことに思えた。

 緊張とともに職場へ向かう途中で思い浮かんだ顔があった。かつて「迎える側」として接した育休明けの先輩ら。男性はいなかった。「今日からまたよろしくお願いします」。笑顔で話し、職場に戻った先輩らは何を考えていたのか。仕事への不安。子供と日中離れる寂しさ。そんな気持ちと闘いながら笑顔を浮かべていたのかもしれない。初めて思い至った。

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息子の生後300日を祝う筆者

 育休を経験した人の多くは共通する思いを抱えたのではないか。再び自分が迎える側になった時、より当事者の立場に立つことができる学びの機会を得られたのかもしれない。そう考えると、少し前向きになれた。

※大久保記者は、育休に入る前に担当した連載「パパたちはどう生きるか」の番外編で、自身の体験もつづっています。

連載した記者自身の気づき 妻任せだった勝手な楽観が「変わった」(2024年5月公開)

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