初打席に立った息子の緊張と悔しさ どんな言葉をかければいい?〈清水健さんの子育て日記〉61
自分の今の実力を知って
息子がまだ小さい時に言われた言葉がある。「今は体力的にしんどいことが多いかもしれない。でも、親としての役割は、息子さんがこの先、いろんなことを経験するようになってからまだまだ待っているよ」。その時は正直、「今、大変だし!」と思っていたけれど、その言葉の意味を実感する日々が続いています。僕は息子に何をしてやれるんだろうか。
4月から始めた少年野球。これまで公園での親子ふたり野球は数多くやってきた。でも、チームに入り、自分の今の実力を知った息子の悔しさが、言葉にはしなくても伝わってくる。
初めての試合。自分でもびっくりするくらいバッターボックスに立つことに緊張したこと。そして、思うようにはいかないこと。帰りの車の中、息子はいつもよりテンションが高い。でも、試合の話をあえてしないのがわかる。妻がいてくれたら、どんな言葉をかけるんだろうかと考えてしまう僕がいました。
何ができる? どんな言葉をかけてあげられる? 妻の闘病中、何も言葉をかけることができなかった、あの時と一緒だ。家に帰って、いつも通りに、ふたりでキャッチボールをすることしかできない自分がいる。一緒に汗をかいて、ばあちゃんのおいしいご飯をいつも通りに食べる。これでいいのかな? わからないことだらけです。
頭の中は、野球とゴジラ
今の息子の頭の中は、大好きなソフトバンクホークス、少年野球、ハマりにハマっているゴジラでいっぱい。野球中継を見ながら「ギータ(柳田悠岐選手)まで回してほしい!」と全力応援し、自分が本格的に野球する楽しさを覚え、眠いのを我慢してゴジラの映画を初代から全て見直す。勉強も!と言いたいところだけど(笑)、それでいい。本気で取り組めるものを見つけてほしい。
悔しい思いもいっぱいするだろう、進路で迷うこともあるだろう、恋をして落ち込むこともあると思う。初めてのバッターボックスに立つ息子の姿を見て、この先のことを想像した。しっかりとバットを振っての空振り三振。そんな姿を見られるのが幸せですよね。
親の役割はその時々で変わっていき、答えはないのかもしれない。ぶつかることもあると思う。でも、何があっても、息子の一番の味方でいてあげられる親でいたい。
妻の闘病中と同じように、近くにいることしかできないけれど、それがどれだけ幸せなことなのか。親でよかった。親にならせてくれた。今年の母の日も、息子が選んだお花を妻の写真の前に飾りました。
清水健(しみず・けん)
フリーアナウンサー。9歳の長男誕生後に妻を乳がんで亡くし、シングルファーザーに。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
清水さん、お疲れ様です。息子さん好きな野球をされているのですね。大好きなパパに応援してもらい本当に嬉しいと思います。好きなチームの応援に2人で出かけ息子さんとの大切な時間だと思います。野球選手を目指して頑張って欲しいです。清水さんもいろいろ大変ですが息子さんと力を合わせ頑張ってくださいね。応援しています😊