【目黒区】小中高生の居場所づくり【大田区】中小企業就職者の奨学金返済を助成【千代田区】中高生世帯に現金給付〈首都圏の子ども予算案2025〉
目黒区 0~3歳の「ひろば」や小中高生の居場所を

新年度の当初予算について説明する目黒区の青木英二区長
災害時に移動型トイレとして活用する「トイレトラック」の配備に2654万円を盛り込んだ。多機能トイレ1室を含むトイレ5室を備え、洗浄水タンクが満タンの状態から約950~1300回使えるという。
トイレトラックなどを配備する自治体同士で、災害時に車両を派遣し合う「災害派遣トイレネットワークプロジェクト」の一環で、区には11月ごろに納車される見込み。青木英二区長は「災害時のトイレ確保は大きな課題。トイレに行くことを控えてしまうと体調を崩し、最悪の場合は災害関連死につながる」と、導入の意義を強調した。
また、ダンスグループ「EXILE」などが所属する区内の芸能事務所「LDH JAPAN」と連携し、高齢者の介護予防につながるオリジナルダンス創作などに550万円を計上。加齢で心身が衰える「フレイル」の予防にもなるダンスを検討するという。
目黒本町には、乳幼児と保護者、小中高生の居場所となる施設を整備する。国や東京都の補助金も活用し、整備費用として5959万円を計上。0~3歳児と保護者を対象に子育てイベントなどを実施する「地域子育てふれあいひろば」と、小中高生向けの居場所や自習スペースの機能を備えるという。
大田区 区内の中小企業に就職すれば奨学金返済を助成
区内の製造、運輸、建設の中小企業に就職する区民で、奨学金を返済している人を対象に、返済額の半額を助成する事業を2026年度から開始する。区内での就業を促し、人手不足に悩む地元企業を支援する狙い。25年度当初予算案には制度周知の費用として約170万円を計上した。
対象は今年4月以降、区内の3業種の中小企業に就職する40歳未満の区内在住者。今年6月以降に必要な手続きをし、申請内容が認められれば、25年度分から最長5年間にわたって返済の半額(1年当たり上限10万円)が助成される。
子育て支援では、未就学児の保護者を対象に、ベビーシッターの利用料金を補助する取り組みを、遅くとも今年秋までに始める方針。補助の1時間当たりの上限は利用する時間帯によって異なり、児童1人で年間144時間まで補助対象になる。事業費約4億8600万円を盛り込んだ。
その他、母子保健や子育てを支援するアプリの導入費用として、約340万円を計上した。
予算案の総額は、全体の3割超を占める子育て支援策の増もあり、前年度から3.4%増の約3527億円で過去最高となった。鈴木晶雅区長は「区の未来を担う子どもへの投資に力を入れている」と語った。
千代田区 中高生のいる世帯へ月1万5000円

千代田区の樋口高顕区長
子育て支援や物価高騰対策として、4月から区内の中学生と高校生がいる世帯に1人当たり月1万5000円を給付するため、約5億8000万円を計上した。対象は来年度の中学生約1700人、高校生約1500人。実際の給付開始は年度途中になる見込みで、初回は4月分以降をまとめて給付することになるという。
区によると、自治体から中高生のいる全世帯への現金給付は、全国的にも例がないとみられる。樋口高顕区長は「中学からは私立を選ぶ家庭が増えることもあり、小学校から中高に上がった時に教育費が増大する」と述べ、「安心して子どもを産み育てられる街にしたい」と意義を語った。
また、本年度は半額だった区立小中学校などの教材費への補助を、新年度から全額に引き上げる方針で、事業費約6700万円を盛り込んだ。対象は区立学校11校の計約4000人。区立幼稚園4園では、新年度から給食や弁当の提供を開始する予定で、事業費約6800万円を計上した。
一般会計の総額は前年度から8.3%増で過去最大となる753億5305万円。子ども、子育て支援の施策が全体の26%を占めた。
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