教頭が担任、校長も授業…教員が2000人以上足りない 26都道府県5政令市の調査で判明
榎本哲也 (2023年7月25日付 東京新聞朝刊)
産休や育休、病気休職などのため、東京都、神奈川県、千葉県、愛知県など26都道府県5政令市で2082人(5月1日時点)の教員不足が生じていたことが、全日本教職員組合(全教)が24日に発表した調査で分かった。
代替教員 予算付いても人がいない
調査は、全教の地方組織が地元の教育委員会に照会したり、組合員が勤務校などの状況を調べたりして、まとめた。
学校種別でみると、小学校が1042人で最も多く、中学校605人、特別支援学校229人、高校167人など。
産育休や病休などの代替教員がいないことによる欠員は568人で、全体の27%を占めた。
文部科学省は、5~7月に産休や育休を取る予定の教員がいる小中学校などに年度当初から代替教員を配置できる制度を、本年度から設けている。全教の担当者は「予算は付いても人がおらず、制度が活用できていない」と指摘する。
事務職員など教員以外も欠員46人
事務職員や特別支援学校の介助員など、教員以外の職員の欠員も46人いた。教職員全体の不足は計2128人になる。
調査の自由記述には「教員1人の持ち時数が多くなった」「非常勤講師が教材研究や評価、実験準備をボランティアでやっている」「管理職が講師を探すために88件電話した」「教頭が担任するほか、校長も授業に入る」などの声があった。
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いよいよ文科省と学校が追い込まれている。四の五の言わないで、労働環境の整備に手を付けよ。私は元高校教員なので、高校における施策を述べさせて頂く。
1.部活動指導の全廃と地域移行
高校教員が法的な拘束が無いにもかかわらず全員が顧問を課せられ、教材研究の時間を削られているのは周知の事実。既に部活動の意義云々を議論する余裕は無い。学校が担当するのが物理的に不可能になっているのだ。既得権益を握っている高体連・高野連・高文連のトップは、早急に各支部に地域移行の指令を出さなければならない。
2.情報関係の専任職員の登用
ICTだの何だの偉そうに言っているが、現場の教員に丸投げはないだろう。以前からパソコンやサーバーの保守は得意な教員に任されており、面倒を嫌がる管理職もそれを黙認してきた。予備費を使って、専任教員を配置すべきである。情報ネイティヴが現場の主力になるのは早くて十年後である。
3.対立軸の移動
学校が上手くいかない原因の一つとして、職員室で管理職とヒラ教員が対立している構図があり、しかもそれが当然と思われている。対立はできれば避けたいが、対立しても仕方が無いのは学校と教育委員会の間である。管理職はヒラ教員の側に立ち、教育委員会やそのバックの文科省と喧嘩も辞さずの精神で体を張らなければいけない。文科省は管理職の選考方法を改め、現在の採用試験を廃止し、ヒラ教員の推薦で選ぶように、大至急通達を出すべし。上司への不信が現場の齟齬を生むからだ。
4.PTA組織の廃止
最早存在意義を失っている。少なくとも教員は一切タッチしなくても良いように、文科省は施策を考え、得意の通達を全国に出さなければならない。
5.#教師のバトンの活用
珍しく、文科省の良い試みの一つだったのに(狙いは外れたようだが)、最近はあまり話題にならない。テーマを変えて、再出発し、文科省と現場教員との意思疎通の場を維持して頂きたい。