「 週1日登校でプリント提出」横浜の小学校の取り組み 休校3カ月、少しでも距離を縮めるために
杉戸祐子 (2020年5月19日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長で、神奈川県内の臨時休校は間もなく3カ月。18日に一部の公立学校で分散登校が始まったが、多くの学校では子どもたちが教員や仲間と一緒に学ぶ機会が失われたままで、児童との距離を少しでも縮めようと地道な工夫を続けている。
まとめて提出よりモチベーション上がるはず
18日午前、横浜市青葉区の市立あざみ野第2小学校に子どもたちが登校し、自宅で取り組んだ1週間分の学習プリントをそれぞれのげた箱に入れた。近くで見守る教員が「難しかったかな?」「背が伸びたね」と声をかけ、「また1週間頑張ってね」と送り出した。
休校延長を受け、同校は大型連休明けからプリントの提出日を設けた。児童は週に1日、登校してプリントを提出し、新たなプリントに取り組む。担任教諭はプリントに目を通し、コメントを返却する。「学校が再開された時にまとめて提出するより児童のモチベーションが上がるはず」と、三瓶淳校長(61)は説明する。
休校長期化 未履修部分も家庭で学ぶことに
4月までに配布したプリントは既習分野の復習だったが、休校の長期化で未履修の分野を学習してもらう必要に迫られたのも背景にある。本来なら教員が授業で板書する内容を、児童は自宅で教科書を読んで学ばなければならない。「分からない子やサポートするのが難しい家庭が出ることも想定している」と三瓶校長。難しい場合、できたところまでで良いので提出してもらう。担任が内容を把握し、学校再開時に念入りに指導するという。
同校は週2回、全保護者にメールを送り、起床時刻や学習、運動時間など生活状況を確認している。三瓶校長は「再開となった時に子どもたちが少しでもスムーズに学校生活に戻れるよう、少しずつでも備えたい」と話す。
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