毎日、便が出ているのに便秘?! 4歳息子が診断され驚いた父親 小2の今も続く服薬治療「いつ終わるのかと」

子どもの便秘は服薬治療が長期間におよぶケースも
「腸にうんちをため込む癖がついている」
東京都内在住の小学2年生ソウタさん(8)は、3年半以上前から便秘の治療を続けています。父親(41)は、ソウタさんがかかりつけの小児科医に便秘だと診断されて驚いたといいます。「毎日、便が出ていたので、まさか便秘だとは思いませんでした」
ソウタさんが便秘と診断されたのは2021年6月でした。当時はまだ4歳で、保育園の年中児でした。夕方、保育園に母親(44)が迎えに行くと、ソウタさんが「おなかが痛い」とうずくまり、動けなくなってしまいました。しばらく待っても治まらず、歩いて帰るのを諦めてタクシーで帰宅。後日、受診した小児科で「便秘です」と診断されました。
触診した医師によると、肛門のすぐ上にある直腸に便がたまっている状態でした。「腸にうんちをため込む癖がついています。薬でちゃんと出せば、ため込まなくなります。治りきるまでには長くかかりますよ」と説明を受けました。
長く続く服薬 保護者に負担もかかり…
飲み続けることで、便を軟らかくして出しやすくする薬を処方され、毎日服用することに。薬の種類や量は、ソウタさんの便の状態に応じて、月1回の受診時に調整しています。
ソウタさんは4歳の時から最近まで長く服用していた「モビコール」という粉薬の味が苦手で、両親が毎回ヨーグルトに薬を混ぜ、バナナなどの果物を加えて飲ませていました。その時その時の便の状態に合わせて細かく容量を調整していたため、調理用のはかりでグラム数を量って服用させる必要があり、手間もかかりました。

便秘の薬を服用する小学2年生のソウタさん(左)。治療が長引くと、毎回の服薬を見守る保護者の負担も続く=東京都内で
現在は別の「モニラック」というシロップ薬と整腸剤を服用していますが、父親は「毎日薬を飲ませるのは大変。いつになったら薬に頼らずに排便ができるようになるか見通しが立たず、(服薬治療が)いつ終わるんだろう?と思った」と打ち明けます。
だんだん改善、でも小学校入学時は悪化
初めの1年ほどは、便の形状と排便の回数をチェックする「排便記録」も付けました。当初は、硬くコロコロしている便や、表面にひびわれやしわがある便が多かったソウタさんですが、小学校入学前には、健康的な便であるバナナ状に近い便が増えてきました。排便時やその前後の痛みも、徐々に改善してきています。

ソウタさんが付けていた排便記録。治療が進むにつれて、健康的な「バナナ状の便」が出る日が増えてきた
ただ、小学校入学のタイミングでは、母親は「学校でトイレに行けるか」「便秘が悪化しないか」「友達に学校でトイレに行くことをからかわれないか」と心配しました。実際、入学後数カ月は一時的に便が硬くなり便秘の状態が悪化。それでも、しばらくするとトイレに行ったり水分を取ったりするタイミングをつかみ、「バナナうんち」に戻っていきました。
現在は太さも形状も「バナナうんち」が増え、便の状態は安定してきました。腹痛を訴える頻度も減り、父親は「いつかは終わりが来るんだろうな、という感覚に変わってきました」と話します。
「便秘って?」「ひびわれ便は普通だと…」
ソウタさんは診断された当初、「便秘ってなに?」とまず思ったそうです。当時まだ4歳の子どもとすれば当たり前のことかもしれませんが、便秘という概念自体がなかったのです。「おなかが痛い」「うんちが硬いな」という感覚はあったといいます。実はここに「子どもの便秘」が発見されにくいポイントが一つ潜んでいます。
また、父親の「毎日便が出ているのに便秘だと言われて驚いた」「硬いコロコロの便が出ていたらさすがにまずいと思うけれど、息子の便は表面がひびわれてごつごつしているだけで、普通の便だと思っていた」という話にも、「子どもの便秘」に保護者が気付かず、慢性化してしまうポイントがあるといいます。
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