仕事第一だったパパがコロナ在宅きっかけに反省… やるべき行動を45枚のカードにします
小林由比 (2021年1月27日付 東京新聞朝刊)
コロナ禍で働き方が変わる中、父親や夫として家族への関わり方を見つめ直したという神奈川県藤沢市の会社員、川口博史さん(42)が、家族のために大切にしたい考え方や行動を解説した「アルティメット・パパカード」の製作を進めている。父親たちが「あるべきパパとしての行動を、パッと思い出して使えるカードにしたい」という。
家事も会話さえもうまくいかない
妻と小学生の2人の子と暮らす川口さん。教育関係の企業で仕事に熱中してきた。「男は仕事をしてなんぼと、疑わなかった」。片道1時間半かけて通勤、帰宅は子どもたちの就寝後という生活を続けてきた。
考えを変えるきっかけはコロナ対策のテレワーク。増えた在宅時間を「家族の幸せのために使おう」と思ったが、家事をしようにも足手まといになったり、会話のきっかけがつかめなかったりと、思い描いたようにはいかなかった。「平日ほとんど留守にし、家事や育児について妻とすり合わせしてこなかったツケだ、と感じた」
子育て期のパートナーシップとは
そこから、本を読んだり、男女共同参画センターの専門家に話を聞いたり猛勉強。子育て期のパートナーシップでは、妻が「夫は家族と過ごす時間を努力して作っている」と感じられたり、いたわりを感じられたりすることが重要だと学んだ。「自分のような失敗をしてほしくない。目に見える形で行動や考え方を変えられるよう、確認できるアイテムがあれば」と、パパカードを思い付いた。
カードは45枚のセット。具体的な行動の是非をイラストとともに示した。例えば「努力を子どもの前では見せない」は×、「何かを成し遂げる努力を子どもの前で見せる」は○といったように。「ちょっと上の先輩方」200人に話を聞くなどして行動を選んだ。
クラウドファンディング実施中
「今月はこの3枚、と夫婦で話し合い、振り返りを繰り返し、面と向かって話しにくい『真面目な話』をするきっかけになれば」
4月中に100セットを製作予定。費用は60万円。2月7日まで、クラウドファンディングサービス「READYFOR」で寄付を募っている。
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