遊びを制限せず、ある程度あきらめる

谷岡聖史記者　コロナ禍も、もう2年くらい続いていて、子どもたちが遊ぶにしても不自由です。杉浦家では、家の中でどんな工夫をして過ごしていますか？

杉浦太陽さん　リビングを公園と思う。多少汚れようが気にしない。自由に遊べ、って。僕も一緒に遊びます。ソファは秘密基地に変身、段ボールを持ってきて、家を作って、多少壁にぶつかろうがOK、って。

　子どもたちは遊びの天才なので、何もないところから作っちゃうんです。その創造の手助けをしています。「ダメよ、これ汚しちゃ」「また、汚して！」と言うと制限をかけてしまうので、「後でみんなで片付けよう！」と言って、夕方までは遊ぶ。子どものストレスをためさせるんじゃなく、発散させる方に持っていって、ある程度あきらめる。

今川綾音記者　ブログで一番下の3歳のお子さんが、ソファで基地を作ってる姿が楽しそうです。

杉浦さん　ソファ＝家と思っていて、「パパ、おうち作って」と頼まれるのでソファを組み立てる。女の子だったらアイロンビーズを一緒にやったり。本当に遊び方はたくさんあると思う。

　夏は家庭菜園が一番教育になった。プランター菜園でハーブだけ植えたり。シソやトウガラシは、めちゃ簡単だし、ミニトマトも花が咲いて、青いトマトが赤くなっていくのが面白い。好き嫌いも減るし。

今川　作ったものだと、よく食べてくれますものね。

杉浦さん　食育にもなるし、家庭菜園が一番平和です。

今川　杉浦さんは野菜の番組に出演されていますし、詳しいんですね。

杉浦さん　はい、6年くらいやってるので、「わき芽を取って」「肥料はこういうタイミングで入れるといい」と話をしながら。そういう平和な遊びもありますね。

父親は「居場所づくり」のチャンス

杉浦さん　コロナ禍で家にずっとこもる時代が続いていますが、普段家事をあまりやっていないお父さんには、チャンスのときだと思っています。どこにも行けないからと家でダラダラするのではなくて、家族一緒に過ごす時間が多いからこそ、あらためて自分の家庭を見つめ直して、夫婦で話し合って、自分にやれることをして、自分の居場所を作るチャンスです。

　何もやってこなかったお父さんは、子どもたちが育ってくると自分の居場所がマジでなくなります。みんなママに甘えて、友達と遊びに行っちゃって。夫婦仲が悪いと、お父さん、ポツンってなっちゃいます。何もやらなかったら、「コロナ禍のときに、あなたは何もやってくれなかったわね」って一生言われちゃうと思うんです。

　でも、ちゃんと家のことが分かっていれば、お父さんも家族の一員として、ちゃんと自分の居場所が作れる。だからコロナ禍は、自分をパパとして、ダンナとしてアピールするチャンスです。ぜひ、家で甘えるのではなく、自分の居場所づくりに励んでほしいなと思います。

収録を終えて

今川　私は杉浦さんが勇気を出して妻の辻さんに「仲良くしたいんだよ」って言ったっていう話が印象的でした。男性側からだけじゃなくて、女性のパートナーの側からそういうことを言ってもいいんだな、と思いました。やってみます。

杉浦さん　ぜひ。恥ずかしいですけど、勇気を出して。

谷岡　僕がすごく参考になったのは、「プライドを玄関に置いてくる」という言葉。あ、プライドって玄関に置けるんだな、って。

杉浦さん　また拾えばいいんですよ。

谷岡　そうですよね。家庭に一歩入ったら、意識を変えて家庭に向き合うことが大事なんだなあと。

杉浦さん　育児の悩みって本当に尽きないですし、子どもだけじゃなくて、パートナーや周りの環境に対してもいろいろ悩むと思います。でも、自分一人じゃない、っていうのを意識しておいてほしい。今は「チーム育児」という言葉もありますけど、一人で抱え込むことほど苦しいものはないと思います。

　もちろんパートナーが一番いいんですけど、友達や自分の親、地域の相談センター、いろいろあるので、自分だけで抱え込まないように。みんな悩んでる、でも答えはあるから。そして、未来は自分で明るくしていけるんだっていう希望をいつも持っていてください。

　今回の話が少しでも子育て中のみなさんのプラスになれば、と思ってお話しさせていただきました。どうもありがとうございました。