発達障害の親子2000人を支えてきた指導員が語る、「しつけ」ではなく「子どもと向き合う」ことの大切さ

長田真由美 (2022年1月17日付 東京新聞朝刊)

写真 浜田悦子さん

〈この人〉発達障害やグレーゾーンの子を支援 浜田悦子さん(42)

 現在小学6年の息子が発達障害と診断されたことをきっかけに2013年、民間の発達支援センターの指導員になった。以来、約2000人の親子と関わってきた。

 息子は当時、聴覚、触覚、味覚が過敏で、服の肌触りも苦手。人が多い場所も怖くて行けなかった。最初は「しつけで何とかなるはず」と思っていたが、指導員の養成講座を受け、発達障害は脳の機能障害であり、しつけのせいではないと知った。今は「子育てコーチング協会」(東京)のインストラクターとして、発達障害やグレーゾーンの子どもとの向き合い方を伝える講座などを手掛ける。

 自分を責める親も多い。まずは「子どもの特性をよく見てほしい」と呼び掛ける。例えば、わが子が朝の準備をせずに、ぼーっとしていても「早く」「遅れちゃう」とせかさない。「一緒に準備しよう」と手伝うなど、子どもの行動を理解した上で手だてを考えることが大切という。

 「子どものつまずきや擦れ違いには、その子との向き合い方のヒントが必ず隠れている。そのヒントを探すお手伝いをしたい」。横浜市在住。 

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  • 匿名 says:

    私も発達当事者ですが、「できないことを許してほしい」んですよね。

    要は最低限の納税ができればいいわけで、わざわざ健常者と一緒にして失敗体験を積ませて、納税できないどころか二次障害で医療費は人並み以上にかかる、という状態にするのをやめてほしい。

    特別な支援とかの足し算じゃなく「やってはいけないことの引き算」で考えてほしい。

     男性 40代
  • あやこ says:

    当事者です。
    職場の人たちも不注意優勢型の自分の障害を知ってはいますが認容はされず毎日激しく叱責されています。
    理解なんてあり得ない。結局は人間の相性です。好かれれば助けも得られるがそうでない人は孤立し全ての人間が敵になる。血縁者も。

    あやこ 女性 40代
  • jeff says:

    この記事に出会えたことに感謝しています。小中を中心とした学校現場の先生方にこの様な意識を持ち教師活動に臨んでいただくために、国をあげ各市町村での研修を定期的に実施し先生方の意識改革に努めて欲しいと心より願っております。正に現状は中1ギャップではなく、小1ギャップと言えます。
    小学校低学年を受け持ち先生方、この様な子ども達を学校嫌いにしない為にも頑張って貰いたいと痛切に感じています。
    各県市の教育委員会にはきちんと目を向けて頂きたいですね。

    jeff 男性 60代
  • ハハの心 says:

    親だから、親のせい、注意しないから、甘やかしすぎ、沢山の忠告のなか、家族ですら理解してもらえない事が多すぎて、苦しくなる毎日。発達障害という言葉も辛い。親だから、愛する我が子に希望を持って育てたいに決まっている。
    だけども、身も心もすり減らしていては、子供に良い影響は与えられない。
    生活があるから、親も仕事があるから、時間を守れないと困る現実に、毎日疲弊してしまう。
    皆と同じ、足並み揃えていないと発達障害があると言われて、また嫌な思いをしてしまう。世の中の理解と、個々で違うため支援の介入も難しい。

    ハハの心 女性 40代
  • ちっち says:

    子どもが知的障害と診断されてから、ネットや本、専門の方に相談したり、たくさんの情報を収集し、実践してきました。どの情報も決まって同じで、何を言われてもきれいごとのように感じてしまいます。そんなことわかってる、ちゃんとやってる、でも上手くいかない。もしかしてうちの子は、これから普通になれるんじゃないか?という勝手な期待。それが、必要以上の情報を収集してしまう原因なのだと気付きました。そう、わかっているのに「発達障害」という記事があればクリックしてしまう。でもやっぱり書いてあるのは同じこと。毎日そんな繰り返しで、これからも時間が過ぎて行くのでしょうね。だから、変われたあなたを尊敬します。

    ちっち 女性 30代

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