障害のある子もプレーできる特大野球盤「ユニバーサル野球」 特別支援学校の児童27人が熱戦
校長「私たちにこそ必要だった」
自動で回転するターンテーブルの上に置いた球を、ひもを引くとストッパーが外れて勢いよく半回転するバットで打つ仕組み。1人ずつ打席に入ってバットを振り、両翼約5メートルの盤の上を転がる球がどの場所に入るかで「アウト」や「ツーベースヒット」「ホームラン」などが決まる。
本当の野球場のような音楽を流して盛り上がる中、教員の介助でひもを持つ子も、打つ瞬間は自分のタイミングでひもを引いて勝負。永島崇子校長が自らアナウンスを務め、打席に入る一人一人を紹介し、2打席連続でホームランを放った児童には皆が驚き祝福した。永島校長は「子どもたちにぜひやらせたかった。教員も楽しそうで、私たちにこそ必要だった」と語った。
鉄道車両整備の事業者が体験会
ユニバーサル野球は、鉄道車両の整備などを手掛ける堀江車輌電装(千代田区)が、新たな事業として2年前から各地で体験会を開いてきた。新型コロナウイルス禍で屋内での実施が難しくなると昨秋、雨風に弱い段ボール製に代わり、屋外でも使える木製を、新ビジネスへの支援に力を入れている埼玉県横瀬町の協力を得て製作。この日は換気をしながら体育館で行った。
事業を手掛ける元高校球児の中村哲郎さんは、昨年の高校野球秋季大会で地区優勝した高校がある北海道、東京、奈良、福井、高知の5都道県の学校から希望を募り今年、順次体験会を開いてきた。
重度障害の子どもたちに広めたい
感染防止のため必要な物はワゴン車1台に積み、中村さん1人で時には車中泊で各地を回った。残念ながら北海道は訪問先の学校で陽性者が出たため中止したが、喜ぶ子どもたちの姿が力になった。
大泉特別支援学校の在学生のように重度障害がある子どもたちは、ユニバーサル野球を最も広めたい対象だ。中村さんは「思ったよりひもを引けていた。野球好きの子もいて楽しんでもらえた」と喜んだ。今後はコロナの状況を見ながら事業を続ける。
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