トマトだって個性はいろいろ、みんな違っていいんだよ 野菜農園が子どものためにつくった絵本「とまとのきもち」

岡本太 (2024年4月8日付 東京新聞朝刊)

清瀬市の「関ファーム」

 東京都清瀬市の野菜農園「関ファーム」の社員らが、日々育てているトマトを題材にした絵本「とまとのきもち」をつくった。色や形、大きさなど個性豊かに育つトマトに、地域の子どもたちの姿を重ね、自分らしく大きく成長してほしいとの願いを込めた。

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農園の前で完成した絵本を手にする社員ら=東京都清瀬市で

傷がついていたり、成長が遅かったり

 傷がついていたり、少し小さかったり、成長が遅かったり-。さまざまなトマトが絵本に登場し、仲間と一緒に少しずつ大きくなっていく。

 構想などを担当した杣谷(そまや)真由子さん(44)は「農園にはいろいろな個性のトマトがあって、一つ一つ太陽を浴びて、赤くなっていくんです。その様子が『みんな違ってもいいんだよ』っていうメッセージになったらいいなと思っています」と話す。

 絵本をつくったのは、関ファームで働く20~40代の社員やパート従業員計6人。昨春、昼の休憩時間中に「絵を描いてみたい」という話で盛り上がったことをきっかけに、絵本づくりに挑戦することになった。

保育園、幼稚園、小学校へ 市に寄贈

 当初はテーマや込めるメッセージも決まっていなかったが、メンバーの1人が「トマトが赤くなる理由をファンタジーで書いたらどうか」と提案。メンバー内でさらに構想を練り、制作に取りかかった。

 完成まで約半年。太陽の光を浴び、トマトが成長していく様子を、メンバーの高橋真由香さん(40)が中心となって優しいタッチで描いた。文は、メンバーの子にも協力してもらい、かわいらしい雰囲気に仕上げた。

 完成した絵本を地域の幼稚園・保育園、小学校に届けてもらおうと、清瀬市に寄贈した。B5判24ページで550円。農園前の販売機やJAなどで購入できる。問い合わせは、メール= zawatsukiji@gmail.com =で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2024年4月8日

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